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私にできることは何だろう?

先日、3月末で定年を迎えられる御仁に誘われ食事をする機会があった。暑気払いや忘年会など節目節目にご一緒することはあっても二人で行くことはなかったし、いつも日本酒のS氏がワインを飲むところなど想像もできず、正直どんな話をしていいものか考えていた。しかし黙っているわけにもいかない。聡明な方というのは周囲の話からわかっていたので、まずは社労士らしく(笑)「Sさんなら継続雇用の話もあったんじゃないですか?」と切り出してみた。それが思わぬ話を聞くこととなった始まりである。

あくまで私見であるが、Sさんは周囲から一目置かれてはいるけれど、職場での人付き合いはあまり良くない。賢いがゆえに上から見ているような印象を持たれているからかもしれない。また黙って聞いているタイプのようで話し出すと止まらない感じはあるが、淡々と仕事をこなしているといった風情もある。大層なお金持ちとも聞いているから、老後は悠々自適みたいな?

そんなS氏、本当は60歳で引退したかったらしい。周りに引き留められ65歳まで勤めたが、今回は意志が固い。それは夢があるから、薬の勉強をしたいのだと言った。現在、すでに薬剤調合の特許を一つ取っているとも言った。どうして薬の勉強なのか、退職後はどこか学校に通うのか、私は矢継ぎ早に質問をしてしまったと思う。

彼の答えはこうだ。今まで周りの人の役に立てるよう仕事をしてきた。でも今度は世界の人に役立つものを残したい。学校は通わない。なぜなら60歳から65歳までの仕事は、その道の人脈を広げるにはちょうど良いポジションだったからだと言った。5年間、退職後の自分を見据え、薬学科のある大学の教授や薬品会社、漢方、それを取り扱う業者などなど意識的に関ったそうだ。

薬剤調合の特許を一つ持っているというのも驚きだったが、世界の人に役立つものを残したいという大きな夢や、そのためのタネ植えをこつこつとしていたことには舌を巻かざるを得ない。

今、お手伝いさせて頂いている仕事を始めた時、ここでいろんな事業主さんに会って人脈を作り、本業に生かせればとは私も考えたことがある。しかしS氏の考えていることはレベルが違う心震える話だった。
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Commented by tetsu at 2017-03-14 15:12 x
また考えすぎているようですね。
元々物事を深く考える人だから少し気楽にやってけば?
Commented by meow-ee-ow at 2017-03-17 21:45
いやいや気楽にやってます。
スゴイ人に触れて、この歳になってこれでいいのかなと…。
たまに思うだけです。笑
by meow-ee-ow | 2017-03-12 22:35 | 生き方 | Comments(2)