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風の流れるままに

「ネバーエンディング ストーリー」という本がある。読んだとおり、終わりのない物語という題名の物語だ。映画にもなっているから、ご存知の方は多いと思うが、映画のそのまた続きにある、あるお話。
主人公はいろいろな変わった世界を旅する。ある時、苦しい世界をくぐりぬけ、疲れ果てて、たどり着いた一軒の家には、果物をいっぱい生やしたおばさんが住んでいた。そこは、本当に安らげる場所で、おばさんはまるでお母さんのようだった。自分の体にある果物を食べさせ、「いつまでもここにいていい」と言ってくれる。しかし、一方で、「いつかあなたはここを去るでしょう。それを自然と知るときがくる。」とも言うのだ。長い間、主人公はその安らぎの場所にいたけれど、ある朝、おばさんは寝たきりで、起きない。体にあった果物も枯れている。主人公は、今が自分が去るときだと悟る・・・というワンストーリー。
主人公は、去る日を決断したわけではない。ただ去るときを感じたのだ。

中田英寿さん引退のニュースが、昨日の新聞各紙の一面を飾った。夜のニュースステーションでも各国の彼にかかわった選手のインタヴューを放送。予想はされていたものの、実際に「現役引退」となると、それはかなり大きなことのようで、野球で言うなら、イチロー引退くらい、サッカーファンにとっては衝撃だと想像する。私としても、サッカーについてあまり詳しくはないが、29歳の中田さん引退は、フランスのジダン選手の34歳にして、あの素晴らしいプレーを見ると、早すぎる引退ではないか、志半ばではなかったかと思ってしまう。でも彼にとっての現役引退は、この「ネバーエンディングストーリー」の主人公のような感覚なのかもしれない。<ドイツ vs イタリア>準決勝を観ながら、霞がかかったような頭でそんなことを考えていた。

・・・それにしても、点数入りませんね~。
さて、延長。どちらが勝つのか、神のみぞ知る。
by meow-ee-ow | 2006-07-05 05:54 | 生き方 | Comments(0)